サエキトモ生存確認場。

実は、

あ、いや、実はって事もないし、この春から始まっていたのですが。。。

「松濤アクターズギムナジウム大阪校」と「神戸電子専門学校」の2校で、4月から講師のお仕事をしてます。
どちらも俳優・声優を目指す養成所と、専門学校です。

こんな私が講師!
いや・・・こんな私だからこそ講師。です!笑

生意気だった養成所時代。失敗ばかりのアフレコ現場。
実際お仕事をもらえるようになっても上達せず迷惑ばかりかけてきました。
先生として教えるにはとてもじゃありませんが、同じように大阪在住から目指して仕事をもらえるようになった経験を持つ者としてなら、色々と話せる事、出来る事がある・・・
という事で試行錯誤しながらですが、私なりの「講師」頑張っております。

私も養成所時代には演技の基礎からダンス、日舞、ボイストレーニングなど色々な授業を受けました。
とにかく絶対「声優になる」、それだけ思ってた。
アニメの話ばかりして演技の勉強をしないような生徒を横目で軽蔑しながら、
絶対に、私は「なる」。「なってやる」。

授業と自主練の日々。そして授業料、家賃、生活するためのバイトの日々。
役者、音楽やカメラマン、ジャンルは違っても東京では皆そんな若者ばかりで夢語って安酒呑んで。

とにかく必死でした。
でも充実してた。…なーんて言えるのは今振り返るから言えるんであって、

焦ってた。

将来に。
自分に。

若い特有の自問自答や才能への過大評価。
悔しくて悔しくて自己嫌悪。
なんて、まあ全部、自意識過剰。
ただただあるのは、

何もない。
何者にもなってない。

では自分にそんな日が来るのだろうか?

いつ?
いったい、いつ?



なりたいものは決まっていても、皆がなれるってもんじゃない。
養成所も専門学校も、それはもう数多くある。
そしてそこに通う、夢見る者達の人数といったら・・・

頑張ればなれるなんて到底思わない。
夢は必ず叶うなんて事はない。


だから「学校」という小さな山がたくさんある中で、そのそれぞれの頂上、トップとれなきゃ話にならない。
と、私は思うわけです。
そんな話も生徒さんにはしています。2校どちらも。
専門学生は皆18歳や19歳。養成所はもう少し歳上や三十路前やら様々です。

年齢や、環境や、地元って事とか、今している仕事や、
それぞれあるとは思うけど、全員が、そういう気で、本気で、立ち向かうべきだと思うんです。
どんな所で何が起こるかわからない。誰が見てるかわからない。


私の場合、養成所時代に講師として来ていた音響監督さんに少しずつ現場に呼んでもらえるようになった。
スタジオ見学から、そのうちブースの中で大先輩の隣での見学を許され大緊張した。
通りすがりAや少年1とか、たった一言のセリフをもらえた時の嬉しさ。でも、全く出来なくて正直緊張で声が出ないし上手く出来ないどころか監督の指示も右から左へパニック・・・。

学校で出来ようが、現場で出来ないと話にならない。
当たり前だ。
使い物にならない。
そりゃあもう落ち込んで、ヘコんでの連続。
たかだか養成所でトップとっても、小さい山は死ぬほどあって、そして本物の山はとてつもなく大きい。


そんな風に過ごしながら、授業に出てバイトもして。
初めての名前付きの役。何度も落ちてやっと受かったオーディション。

そして、初めてとった主役。

そこからイベント出演やラジオと、繋がっていった。
もちろんそれも次々とうまく決まったわけではないし、バイトを止めれられたのはずっと先だ。
それにいつ切られてもいい仕事。いつ仕事がなくなるか、安定なんてない。
オーデションは受かり続けなければならない。


この仕事は、どんな内容が来るかわからないから、今、学校に通って勉強しているすべてが大事なんだと、
レッスンを必死にして無駄なことはないんだと、身をもって言う。

ラジオ、イベント、撮影、雑誌のコラム、舞台、講演会、歌、ダンス、レコーディング、CD発売、ライブ、ツアー・・・

色んな事が、ホントに急に「自分に来るんだ」という危機感を持ってレッスンに挑めば、絶対にお遊びで授業なんて受けられない。時間が足りないはずだ。


って、私は「昔の私」に言いたいのです。


授業、もっともっと必死にしてればよかった。もっと先生の話を聞いておけばよかった。ボイトレに焦って通っても間に合わない。ああこんなに下手くそなのに!時間がない!レコーディングの日は来てしまう。本番は来る。もっと歌のレッスンを!ライブでは振り付けが!ああ!もっとレッスンを!!

そのレッスンを、今、思う存分できる学校の生徒たちよ!


う・・・

うらやましい!!

じゃなくて。笑


やりなはれ!
思う存分、思いっきりやりなはれ!!!



ね?

私やから言える事、あるやろ?(涙目)

いっぱい失敗してきた私やから出来る授業が!!
マジで昔の私に教えたい…
生意気や失礼な口聞いた先輩方にも謝りたい!笑

とは言っても今でもまだまだ私もアオい、拙い人間です。勉強中です。
授業では生徒さんと一緒になってV字発声したり腹筋したりしております。生徒だけ上手くなるなんて許さんぞ!笑
やるからには私も「講師」、思う存分、思いっきりやってやる、と懸命に挑んでおります!!

以上、サエキトモ近況報告でした。


どんな人も、どんな事目指してる人も、そして今闘ってる人も、お互いfight!






by tomosaeki | 2014-06-23 15:17 | 活動 | Comments(14)
Commented by オナツ at 2014-06-23 19:03 x
生徒と一緒になってやってくれる先生、良いですね。
経験した事を教えてくれる人がいても素直に耳を傾けられずに、本気で頑張る事もせずに言い訳だけして生きてきた私には、耳が痛い話です。
頑張る人がまぶしいー!
Commented at 2014-06-23 19:16 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ゆず at 2014-06-23 22:24 x
私も当時、トモさんに憧れて声優を目指していました。

そんな私も、本業というものにはならなかったものの、まがりなりにも舞台で俳優をさせていただけています。

どんな形だっていい。自分がやりたい事がやれるって幸せな事だなぁと感じます。
Commented by ヒィッツカラルド at 2014-06-24 06:43 x
このブログを声優目指してバイトに来ている子に読ませます
Commented by 夢乃椿 at 2014-06-24 16:30 x
わぁ!講師されているんですね!
夢ある若者にたくさんのことを
教えて差し上げて下さい*\(^o^)/*

10年前、私もお芝居の勉強をして
たくさん大切なことを学ばせていただきました。夢は叶わなかったけど、今、見つけた違う夢に向かってがんばっているのも、養成所や劇団での勉強があったからだと感謝しています。

まだまだ道半ばで、まさに、今年、30。
焦るし、悔しいし、歯がゆいことばかりですが、がんばっている人はみんな同じなんだなと、勇気が持てました。

そして、同時にみんな同じなんだなと、さらに焦りました。笑

でも、トモさんの年齢になった時、
後進に教えられる先輩になっているよう
頑張るのみですね!
Commented by at 2014-06-24 20:33 x
人生が滲み出た、素晴らしいお言葉です、先生!
Commented by ふんまつ at 2014-06-25 01:58 x
講師ですかー!
生徒さんが羨ましい!

授業風景見ました。トモさんめちゃめちゃ輝いてますね!楽しそうです(*^^*)
一緒に上達しようとするところが、向上心溢れていて素敵だなと思います!

今、目指しているものが何もない自分ですが、こういう記事読むと何かに夢中になりたくなります。
Commented by にしこう at 2014-06-25 20:21 x
松涛アクターズスクールに大阪校が出来ていたとはっ!
しかも、神戸電子専門学校に、声優科があったとはっ!
もともとあそこって名前の通り、「ITやコンピュータ、電子工学」が中心だったのだが、確か「総合学科」に進展して、宣伝していたよーな…。

そう考えると昔は少なかった「アニメ・メディア系統」の学校も、今ではかなり充実してきましたよね。

俺が学生時代で関西であったのは、知っている限りで1~2校くらいだったのに…。

まったく、ガキの頃に戻りたいわな(--;)
Commented by xyz. at 2014-06-25 20:33 x
読みながら胸が熱くなりました!
ブログ読んでて良かった…
Commented by かおり at 2014-06-26 22:40 x
私もサエキさんに憧れて声優を目指していました。
実はサエキさんと、松濤アクターズギムナジウムの札幌での説明会でお会いしたことがあります。
なりたい一心で上京し、養成所に通ったものの、芽が出ず、お金もなく、演劇に打ち込むより、生きるためのお金を稼ぐことで精一杯になってしまい、モラトリアムに陥りました。
今でも少し憧れはありますが、今はいい人に出会い結婚し、大好きな演劇は大好きなままで心にとどめておくつもりです。
これから声優を目指す子たちには、
信念を持って、そんな生活も乗り越えて努力することが大切ということを伝えたいです。
夢半ばで終わってしまいましたが、声優を目指したこと、チャレンジした時間はひとつも無駄だとは思いません。
サエキさんに憧れて過ごした時間もとても大切な時間です。
サエキさんに憧れ、ベリーショートにしたことも大切な思い出です(笑)
サエキさん、ありがとうございました。
そしてこれからも、お身体を大切にその元気な声を聞かせてください^ ^
Commented by おっさん at 2014-06-27 22:09 x
やっぱ、アンタすげーよ( ´∀`)bグッ!
Commented by キサト at 2014-06-29 00:55 x
私も目指してた時期がありました。
それで就職に有利な資格を取ろうと思って高校は看護科に進んだんですが、その時に母に「あの看護科のレベルだとクラスで1番取るくらいじゃなきゃ国家資格は受からない」と言われました。
ちょうどブシラジの『お先に天下制覇しちゃいました』で鳥ちゃんに、「今度は1番取ってください」って言われたので1学期はクラスで1番取りました。(トモ姉が休業した次の週くらい?)
ですが、演劇部の同級生に目を付けられ傷害や恐喝レベルの嫌がらせを受けるようになり、精神的にまいってしまい夢への一歩を踏み出すことすら出来ずに終わりました。"アニメの話ばかりして演技の勉強をしないような"同級生相手に。
しかし、この業界はメンタルが強くないよやっていけない。私は早い段階でふるいにかけられたのだと思います。

中学生の時、大阪のグッツお渡し会で後ろに並んでた叔母が「この子声優目指してるんです!握手してあげてください!」って言われて自分でも思いもよらない出来事にビックリしつつ、トモ姉が嫌な顔一つせず握手してくれた時は凄く嬉しかったです。

まとまりのない長い文章ですみません;
Commented by さとみ at 2014-06-30 21:21 x
サエキ先生、お疲れさまです(*´ω`*)
この熱い気持ち、生徒さんたちにきっと届いてますよね!
サエキ先生の講義を受ける生徒さんたちがうらやましいです!!
Commented at 2014-07-03 06:34 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。